Grand Noble(グラン ノーブル)

グラン・ノーブル(Grand Noble) 

せわしない日常の中で、ゆったりとした時間を上質に過ごすことができる「現代の茶の湯」、もうひとつの楽しみ方

「人の一生は、最終的にその人の品格に左右され、品格は自分をどう形成するかにかかっている」
鉄板のごとき男性社会の中に在って「鉄の女」といわしめた、サッチャー元英国首相の名言を思い出した。

そのエントランス、その玄関からのアプローチ、その空間は、とても「上品な空気感」を纏っている。”バーとアートの街”吉田町のメインストリートに立地していながら、「隠れ家感」もある。それが、グランノーブル。キューバやドミニカの葉巻も扱う、本格的なオーセンティックバーだ。「バーとは、紳士淑女の社交場」との一貫した哲学を持って、クチュール感のある接客を大切にしているオーナーの山田さん。同じ吉田町の街角に佇むBar Nobleを成功させ、2017年7月にGrand Nobleをオープンさせた。

2011年3月11日。
あの日、東日本大震災が起こり、日本は東北の津波と福島の原発問題で震撼した。日本が果たしてどのように復興への途を辿るのか、世界中が固唾を飲んで見守っていた。そんな時に日本を盛り上げていきたいとの想いを持って、立ち上がった一人が山田さんだった。同年にポーランドのワルシャワで行われたIBA(International Bar Association: 国際バーテンダー協会)主催のカクテルコンペティション「ワールド・カクテル・チャンピオンシップ」にて、日本人として4人目の総合優勝を獲得。世界56カ国から参加した107名のバーテンダーの頂点に輝いた実績を持つ。

「Great Sunrise – 偉大なる日の出」
日本が再び、素晴らしい日の出を見ることができるようにとの願いを込めて創作した山田さんのカクテルは、ベストテクニカル賞、ベストネーミング賞も受賞の快挙を得た。

世界一のバーテンダーの所作は、削ぎ落されていくシンプルさに研ぎ澄まされている美しさがある。道を究め続けるプロフェッショナルに共通している。グラスに注がれていく美しい液体をみていて、そんなことをぼんやりと想う。制限された中での自由というか、守破離を確実に自分のものにしているひとだけが持つ、独特の空気感のようなものがあるのだ。

「一期一会を大切にしています。」

小さな出会いを大切に育ててきた結果、いまがある。そう笑う、山田さんは現代の茶聖なのかもしれない。
グローバルの視点を持っているからこそ日本の美の至高を追究し続ける、現代の茶聖の究極のおもてなしが、ここ吉田町には、ある。

Another story of Grand Noble ~ もうひとりの茶人

Grand Nobleには、凛とした空気感がある。
それは正に茶室の空間を想起させるのだが、もてなす側の心意気の高さが、そんな空気感を醸しているのかもしれない。

「とにかく基本のしっかりしたカクテルを創りたいと思っています。」
2016年、フランスはパリで世界41カ国からの選手によって開催されたモナンカップ世界大会で、やはり優勝した実績を持つ清水さん。世界で一位になるためには、日本の大会で一位となり、アジアの大会で一位とならなければならないという。針の穴を通るとは、このことをいうのだろう。勝因を伺うと、淡々と「ゆずをつかって、”和”のテイストを演出したからでしょうか」との言。

世界大会で各国から集まってきた同世代と競い合って感じたことを、尋ねてみた。

「プレゼン力は、圧倒的に海外の方が上ですね。エンターテインメント性が高い、というか。」

なるほど。業界を違えても、ここは変わらないのね、ジャパン。

「けれども、私は日本の軸に、より誇りを持てるように、しっかりとしたカクテルをこれからも創り続けたいですね。」

茶人であり、サムライでもある清水さんのおもてなしも、また、とても秀逸である。


[2018年]Grand Nobleの「ローズのおもてなしの一品」
ノーブル ローズ(Noble Rose

慎ましくも咲き誇る、一輪のバラの花。
そんな気品に満ちたバラの花を五感で楽しみたいなら、ぜひオーダーしたい一杯だ。

スッと立つ、気品あふれるグラスとの調和も、とても美しい。
コアントローのパンチのある甘みとパッションフルーツの爽やかな甘みがタペストリーのように絡み合い、ブルガリアンローズの香りがふわっと優しく、すべての個性を包み込む。

英国のビクトリア朝を想起させるクラシカルな空間でノーブル ローズを楽しんでいると、そういえば英国の国花も、またバラの花であることを思い出した。確か、赤いバラの花だった。15世紀に勃発した薔薇戦争が由縁とされているというが、ランカスター家が赤薔薇、ヨーク家が白薔薇を紀章とし権力闘争を繰り広げるも、和平が成立すると赤薔薇と白薔薇を絡み合わせた紀章を用いて統一を図ったなんて凄くお洒落だ、と思ってしまうのは不謹慎だろうか。

No rose without a thorn. (とげのないバラはない)”

つまり、この世に完全な幸福は無いということ。
現実世界で起こる様々な利害関係のしがらみも、諍いも、すべては諸行無常にたゆたえば、つわものどもが夢の跡。

グラン・ノーブル(Grand Noble)には、キューバ銘柄の葉巻も取り揃えてある。
現代の茶の湯で「赤い薔薇」を嗜み、シガーの煙をくゆらしながら、夢のあとさきに想いを馳せてみるのも悪くはない。

 

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