■ コミュニカーレのストーリー
アメリカで出会った ”バラのおじさん” が教えてくれたこと
“Thank you is a magic word.
「ごめんね、ハニー。そのバラは君にあげることができないんだ。このバラはね、ワイフのためだけに育てたバラなんだよ。いつもありがとう、と伝えるために。」
「ローズのありがとう」のストーリー
小学校時代に暮らしていたアメリカ西海岸の小さな町で、いつも学校からの帰り道に通る、たくさんの、いろいろなバラの花がお庭を美しく彩っている近所のお宅がありました。
お庭をいつも手入れしている優しい老紳士が、お隣の犬と遊んで帰る私をお庭に招き入れてくれるようになり、いつからか好きなバラをお土産に一本いただいて、持って帰ることが多くなりました。
或る日のこと、私は純白のバラをみつけて欲しがると、バラのおじさんは珍しく難渋の色を示しています。その理由を聞くと、「そのバラは、ワイフにだけ捧げる特別な花なのであげられない」とのこと。
その日、おじさんはお庭のバラを1本オマケにくれました。
仲良くなって、ご自宅のランチに招かれた時に初めて、奥様が日本人であることを知りました。
後になって、想うのです。お二人は、太平洋戦争を乗り越えてきた世代。当時の日本と米国の過酷な時代背景の中で、「いつもありがとう」「大切に想っているよ」と伝える努力を続けてきたからこそ、長い間、仲睦まじく暮らすことができたのではないかと。